人間関係リセット症候群 — 全部消したくなるとき
ある日とつぜん、LINEもSNSも全部消してしまいたくなる。誰にも何も言わずに連絡先を消して、自分を知らない場所に移りたくなる。人間関係リセット症候群と呼ばれているのは、こういう状態のことです。
実際にやってしまった人もいれば、指を止めたまま夜中まで画面を見ていた人もいます。どちらにしても、そう思ってしまう自分がおかしいのではないかと感じている人が多いです。
人が嫌いになったわけではない
誰かに強い恨みがあって消したくなる、というケースはむしろ少ないです。多いのは、特定の相手ではなく「関係を保つこと自体」に疲れているときです。
返信を考える時間、既読をつけるタイミング、グループの中での立ち位置。ひとつずつは小さくても、同時にいくつも抱えていると気力を使い続けます。全部消したくなるのは、その負荷をゼロにする方法がそれしか思いつかないからです。
こういうときに起きやすい
- 進学や転職、引っ越しなど、環境が変わった直後
- 一人になれる時間が何週間もとれていない
- 自分の近況を話すのが、なんとなく気まずい時期
- 本音を言える相手が、今いない
- SNSで人の生活を見る時間が増えている
- 睡眠が足りていない
三つ以上あてはまるなら、性格の問題ではなく状態の問題です。同じ人が、余裕のある時期には同じ関係をふつうに続けられます。
消す前に、順番を一つ挟む
消すのはいつでもできますが、戻すのはできません。連絡先は復元できても、何も言わずに消えたという事実のほうが残ります。だから先に、消さなくても負荷が下がる方法を試す価値があります。
- 通知を切る。アプリを消さなくても、追われる感じはかなり減ります
- 返信を翌日にしてみる。すぐ返すのをやめるだけで、相手との間隔は自然に空きます
- SNSを見る時間を決める。消すより、見る回数を減らすほうが続きます
- 一週間だけ、予定をすべて入れない週をつくる
- 会うのがしんどい相手を、一人だけ思い浮かべる。全部ではなく、そこだけ距離を置きます
これで軽くなるなら、消したかったのは人ではなく量のほうだったということです。
それでも消してしまったあと
もう消してしまった人もいると思います。数日は驚くほど楽で、そのあとで急に不安になる、という順番になることが多いです。取り返しのつかないことをしたと感じて、そこからまた自分を責め始めます。
連絡を絶たれた側は、たいてい怒っているというより戸惑っています。何ヶ月か経ってからでも、短く一言だけ送れば戻る関係はあります。全員に送る必要はなく、戻したい相手だけで十分です。
戻さないと決めるのも、それはそれで選択です。消したこと自体より、そのあと自分を責め続けるほうが長く残ります。
何度も繰り返しているなら
数年おきに同じことを繰り返している場合は、関係を切る前の段階、つまり「しんどい」と言えないところに原因があることが多いです。断れない、頼れない、弱音を出せない。その状態で関係を続けると、限界まで溜めて一気に消すしかなくなります。
消すか、我慢するかの二択になっているうちは、また同じところに来ます。間に「少しだけ距離を置く」を置けるようになると、全部消す必要はなくなっていきます。
気持ちが限界まで来ているとき、いちばん難しいのは誰かに話すことです。知っている人には言いにくいことほど、名前を出さずに書き出しておくほうが楽なこともあります。
ひとりで抱えてきたことがあるなら、名前を出さずに書いてみるのもひとつの方法です。
つらさが続くときは、ひとりで抱えないでください。
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