これってモラハラ?特徴とチェックリスト — 「自分が悪いのかも」と思ってしまうとき
大きな声を出されたわけでも、手を上げられたわけでもない。それなのに、相手の機嫌をうかがって一日が終わる。何か言うたびにため息をつかれ、最後はいつも自分が謝っている。
モラハラ(モラルハラスメント)は、言葉や態度で相手を追いつめることを指します。あざが残らないので、まわりからは見えません。受けている本人も「これくらいでモラハラと言っていいのか」と迷いつづけることが多いです。
ただのけんかとのちがい
けんかは、お互いに言いたいことを言い合います。終わったあとは、どちらも少しずつ悪かったと思えます。
モラハラは、力の向きがいつも同じです。責めるのは決まって片方で、謝るのも決まってもう片方。話題が変わっても、最後は「おまえが悪い」に着地します。一回ごとの場面より、この向きが変わらないことのほうが目印になります。
よくある言動
- 無視する。何日も口をきかない、返事をしない、いないものとして扱う
- 「誰のおかげで生活できていると思ってるんだ」と、お金や立場を持ち出す
- 「そんなこともできないの」「普通はこうするでしょ」と、人格ごと否定する
- 大きなため息、舌打ち、ドアを強く閉めるなど、言葉を使わずに圧をかける
- 機嫌の良し悪しが読めず、昨日はよかったことが今日は怒られる
- 友人や実家と会うことをいやがり、少しずつ遠ざけようとする
- 外ではおだやかで評判がいい。家の中だけ別人になる
- 自分の非は認めず、話がいつのまにか「おまえのせい」にすり替わる
- 「冗談だろ」「気にしすぎ」と、傷ついたほうをおかしい人にする
チェックリスト — 自分のほうに起きていること
相手がどういう人かを判定するのはむずかしいものです。それより、自分に何が起きているかを見るほうが早いです。
- 帰ってくる足音や、鍵の開く音で体がこわばる
- 話しかける前に、頭の中で言い方を何度も練習する
- 何を食べたいか、どこへ行きたいかを聞かれても、すぐに出てこない
- 「ごめんなさい」が口ぐせになった
- 相手のことを人に話すとき、つい相手をかばう言い方をしてしまう
- 友だちと会う回数が、前よりはっきり減った
- 相手がいない日は、体が軽い
- 「自分さえ我慢すればうまくいく」と思っている
当てはまるものが多いなら、それは性格が弱いからではありません。同じことを毎日言われつづければ、誰でもそうなります。
なぜ離れにくいのか
ずっとひどいわけではないからです。やさしい日があり、旅行に連れて行ってくれる日があり、涙ぐんで謝ってくる夜もあります。そのたびに「本当はいい人なんだ」「怒らせた自分がいけなかった」と考え直してしまいます。
もうひとつは、まわりに分かってもらえないことです。外での顔を知っている人ほど「あの人が?」と言います。そこで話すのをやめてしまい、相手の言葉だけが基準になっていきます。
自分を守るためにできること
- 日付と言われた言葉を、そのままメモに残す。あとで「そんなこと言っていない」と言われても、自分の記憶を疑わずにすみます
- その場で言い返して勝とうとしない。「あとで話そう」と席を外すほうが消耗が少ないです
- 関係の外にいる人をひとり持つ。友人、家族、相談窓口のどれかひとつで十分です
- 自分の通帳、身分証、スマホは自分の手もとに置いておく
- 別れるかどうかを今日決めなくていい。まずは、にぶくなった自分の感覚を取り戻すことが先です
相談したほうがいいサイン
- 生活費を渡してもらえない、お金の使い道を細かく管理される
- スマホや行き先をチェックされる
- 物を投げる、壁をたたくなど、体に向かう手前の行動がある
- 眠れない、食べられない状態が何週間も続いている
- 「消えてしまいたい」と思うことがある
ひとつでも当てはまるなら、ひとりで判断しようとしないでください。DV相談ナビ(#8008)は、最寄りの相談窓口につながります。DV相談プラス(0120-279-889)は24時間、電話とチャットで受け付けています。モラハラも相談の対象で、「DVと言えるか分からない」という段階で電話してかまいません。
モラハラのつらさは、言葉にしようとすると一つひとつが小さく見えてしまうところにあります。「それくらいで」と言われそうで、飲みこんでしまう。知っている人には言えないなら、誰も自分を知らない場所に、あったことをそのまま書き出しておくのもひとつの方法です。書いたものは、あとから「なかったこと」にはなりません。
ひとりで抱えてきたことがあるなら、名前を出さずに書いてみるのもひとつの方法です。
つらさが続くときは、ひとりで抱えないでください。
いのちの電話 0570-783-556 · #いのちSOS 0120-061-338